名古屋市中川区の内科、外科、消化器内科 しょうわ橋内科外科クリニック

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  • 胃がん、胃炎、ピロリ菌検査

    胃内視鏡検査

     

    当院は、最先端の苦痛の少ない鼻からのわずか直径5㎜程度の太さの胃内視鏡(胃カメラ)を導入し、苦痛の少ない検査を実施しています。鼻からの内視鏡検査では、口からの検査と違って嘔吐反射がすくないことが特徴です。鼻から入れる場合は内視鏡が舌の根元に触れないので、「オエーっ」という吐き気(咽頭反射)をほとんどもよおすことなく検査を受けることができます。

    ※ もともと鼻腔が狭く、スコープが通らない方、口からの検査をご希望の方には、口からの胃内視鏡検査(胃カメラ)にさせて頂きます。

     

     

     

     

     

    ヘリコバクター・ピロリ抗体検査

     

    ヘリコバクター・ピロリとは

     

    ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ)は胃に生息することのある菌で,この菌の感染により,慢性胃炎が生じ,胃潰瘍や十二指腸潰瘍,胃がんが生じやすくなります。ほとんどの胃がん患者さんには,このピロリの感染が見られます。また,これまで一度もピロリの感染がない人には胃がんはほとんど発生しません。飲み薬によるピロリ除菌治療により,胃がんの発生や潰瘍の発生が減ることが報告されています。

     

     

    ピロリ抗体検査とは

     

    血液を用いて,ピロリの感染があったかどうかを調べる検査です。ピロリに感染すると,ピロリに対する抗体が血液中に産生されます。その有無を調べるものです。
    陽性の場合、胃粘膜にピロリが感染していることが考えられます。胃炎・胃粘膜の状態を確認するために胃内視鏡検査(胃カメラ)を受けられるようお勧めします。

     

     

    ペプシノゲン検査(保険適応はありません。当院では下記ABC検診として実施しております。)(検査料3000円(税別))

     

    ペプシノゲンとは胃の粘膜から分泌される消化酵素のペプシンを作る物質のことであり、食べ物の消化を助ける働きがあります。ペプシノゲンの99%が胃の中に出ますが、1%が血液中に入るとされており、この血液中に出たペプシノゲンを採血で調べるのが「ペプシノゲン検査」ということになります。ペプシノゲンはペプシノゲン1とペプシノゲン2に大きく分類され、ペプシノゲン1は主に胃の入り口から胃の真ん中付近に多く分布する胃底腺から発生するのに対し、ペプシノゲン2は胃の出口付近に多く分布する幽門腺から発生します。ペプシノゲン単独の数字ではなく、ペプシノゲン1と2の比率を検査する「ペプシノゲン比率」が胃全体の萎縮(胃粘膜の薄さ)度合いを 反映すると言われています。ピロリ菌感染などで、胃に慢性的に炎症が起こると、胃の粘膜が次第に薄くなっていき、萎縮性胃炎の状態となります。このような萎縮性胃炎の状態が続くと胃酸の分泌が少なくなっていき、血液中のペプシノゲン1の値が低下して、ペプシノゲン比率も低下し、検診で異常値としてひっかかることになります。
    萎縮性胃炎の状態になると胃がんが粘膜から発生しやすくなるため、胃がんに注意が必要になってきます。

     

     

     

     

     

    胃がんリスク検査(ABC検診)

     

    胃・十二指腸潰瘍の主な原因と考えられているヘリコバクター・ピロリ菌の抗体価検査と胃粘膜萎縮(老化)マーカーのペプシノゲン検査とを組み合わせて、胃がんリスクをABCの3群に分類します。
    このABC分類を用いて、胃の状態に応じた検診間隔を設定し、効率的に検診を行う方法がABC検診(胃がんリスク検診)です。

    ABC検診(胃がんリスク検診)は『胃がん検診』に代わるものではありません。

    ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査やペプシノゲン検査は胃粘膜の状態を簡便に評価するのに有用ですが、胃がんを見つける診断方法ではありません。
    現在、胃がん検診として推奨されている検査方法は上部消化管内視鏡(胃カメラ)と上部消化管X腺(バリウム)の2つだけです。
    ペプシノゲン、ヘリコバクター・ピロリ抗体あるいは併用法による胃がん死亡率減少効果については、その有無を判断する証拠が不十分であるとされました。「胃がんリスク検査」はあくまでも胃粘膜の萎縮の有無、ピロリ菌感染の有無=胃がんのリスクが高いかどうかを調べる検査であり、胃がんそのものを見つける検査ではありません。

     

     

    胃がんリスク分類(ABC分類)

     

     

    • A群: 健康的な胃粘膜です。胃がん発症リスクは極めて低いです。 念のため、5年に1回は内視鏡検査を受けましょう。

     

    • B群:少し弱った胃粘膜です。
      少数ながら胃がん発症リスクがあります。一度、内視鏡検査を受けましょう。また、異常が見つからなくても2~3年に1回は内視鏡検査を受けましょう。
      ◆胃潰瘍・十二指腸潰瘍などに注意が必要です。
      ◆ピロリ菌除菌治療をお勧めします。

     

    • C群:弱った胃粘膜です。
      胃がん発症リスクが高いタイプです。一度、内視鏡検査を受けましょう。
      また、異常が見つからなくても、1年に1回は内視鏡検査を受けましょう。
      ◆ピロリ菌除菌治療をお勧めします。

     

    • D群:かなり弱った胃粘膜です。
      胃がん発症リスクが極めて高いタイプです。必ず、内視鏡検査を受けましょう。また、異常が見つからなくても、1年に1回、内視鏡検査を受けましょう。
      ◆血液検査でピロリ抗体価が陰性でも、他の検査で陽性の場合はピロリ菌除菌治療をお勧めします。

     

    • E群:ABC分類対象外。
      ヘリコバクター・ピロリ菌除菌後の方は、E群 (除菌群)として定期的な内視鏡検査を受けましょう。